「もういや。こんな生活」
PCMAXで知り合った女子大生の彼女がぼやく。試験が迫っていて毎晩遅くまで机に向かっているのだけど、夜な夜な親のセックスの声が聞こえてきて勉強にならないと言う。以前は一階で寝ていたが、祖母が一階に引っ越してきてから夫婦の寝室が二階の空き部屋に移ったとのこと。その部屋は今年の春まで兄が使っていた。兄は就職して遠方にいる。
「母さんのあの声が激しくて・・・母さんがあんな声出すなんて」
「そんなにすごいのか」
「聴いてみる?」
彼女、母の喘ぎ声を盗聴してきたと言う。趣味が悪いと思いながらも興味があってイヤホンを耳につけた。彼女が再生ボタンを押す。
ごそごそと何かをこするような断続的な音に混じって、妖しい声がする。
「ああッ・・・スゴいわ・・ハァ・・・」(母)
「母さん・・×××だなあ・・・ひひ」(父。×××は聞き取れない)
「そんなこと言っちゃだめえ・・・ああんっ! アンッ!・・・ハァンッ!」 (母)
母の声は徐々に激しさを増していく。
おそらくアクメが近いのだろう。
最後まで聴いたが、女のセックスの有様が目に見えるようだった。
たしかにすごい声だ。これを聴いているだけでお何度も抜けるだろう。
「お母さんおいくつ?」
「50」
「まだまだ現役だな。五十路妻、という言葉もあるくらいだからな」
「でも、なんで盗聴なんてしたの」
「私もこんな声出してみたいなと思って」
「言ってることが妙だね。こんな生活嫌じゃなかったの? 母さんのあの声が嫌いなんじゃないの?」
「嫌なのは私自身の境遇。男がいない境遇。本当はね、母さんみたいに激しくエッチできる相手が欲しいの」
「俺が相手してあげようか」
「本当なの?」
照れくさそうに俺を見る。
「相手して欲しいから俺を誘ったんじゃないの? PCMAXで」
「図星」
その日早速ホテルに入り、セックスをした。
彼女は予想したとおり処女だった。
まったくセックスを知らないから未知の領域への憧れがあったのだろう。
ロストバージンは痛かったらしく、最初の頃は苦痛感に満ちた声しか出さなかったけれども、セックス回数を重ねるごとに声がエッチになっていった。しかも盗聴した母の喘ぎ声を彷彿とさせる声なのだ。
血は争えないなと思ったよ。
その母にしてこの娘。
スケベな母娘だね。でも二人とも健康的ではある。