出会い系で知り合ったその生保レディとのセックスで、新しい性の領域を開拓することができた。男にとって陰茎と乳首の次にくるもの。女にとって膣とクリトリス、乳首の次にくるもの。おわかりかな。そう、アナルだ。
2回目のデートで互いに妖しい気分になってセックスしたのだが、そのとき四つん這いの彼女の陰部を舐めていたら偶然アナルに舌があたり、その感触がよかったから舐め続けたら彼女がスゴく感じたので続けるようになった。その後も彼女はアナル舐めを要求するようになった。
「アニリングスお願いっ……」
「スケベなんだな、君は」
「だってぇ……いいんだもん」
アナル舐めのことをアニリングスと言うらしい。俺はそのことを「アニ」と呼んだ。「アニしてあげる」みたいに。
やがて俺も「アニ」してもらうようになり、そのじんわりと長続きする快楽に耽るようになった。シックスナインでアニすることもあり、たっぷり時間をかける。
アニリングスで肛門の性感を引き出すと、それだけで女はイクことができるという。クリトリスのように過激な快感はこないものの、じわじわと波が来て、少しずつ高みに上っていくらしい。男がアニリングスで射精できるとは思えないが、アニリングスという言葉が性用語として定着しているくらいであるから、訓練次第で何とかなるかもしれない。ちなみに乳首を刺激しながらするオナニーをチクニーと呼ぶ。乳首だけで抜ける男も中にはいる。
ところで彼女には8歳年上の姉がいて、この前3人で食事した。姉は豊島区に住んでいる。ちなみに独身。福祉事務所で福祉士をしていて厳しい性格をしているらしい。綺麗で整った顔をしているが、喋り方がはきはきしている。母はすでに他界しており、母親のような目で妹を見る。
「出会い系サイトで知り合うなんて…咲ちゃんがそんな大胆なことするなんてね…大丈夫なの? 危険じゃないの?」
「ぜんぜん危険じゃないです。出会い系には普通の人しかいません。僕。あのう…僕、高島といいます。よろしくお願いします」
俺は頭を下げた。
「不謹慎な交際だけはやめてよね」
きっと睨む。
すると妹(彼女)が手を振って可愛らしく否定する。
「まだ男女の関係じゃないもん」
「そんなこと誰も聞いていないでしょ……」
すると料理が運ばれてきたのでスープにスプーンをつけた。
男女の関係じゃないだって?
厳格な姉の前ではアニのことを言いたくないってことか。
互いの肛門を舐め合う仲だなんて話したら、姉は卒倒するだろう。