秘め始めという言葉がある。姫始めとも言う。
意味はその年で最初にするセックスのことだが、この正月、秘め始めの本当の意味を知った。30代前半の血気盛んな主婦から知らされた。
その不倫妻と出会い系で知り合ったのは昨年の夏だった。体目的で思い切りやってみたいという思いだけで出会い系に登録して女を探していたところ、その主婦に行き着いたのだ。相手にこだわりはなかったものの、人妻は不倫になるから二の足をふんでいたのだが、その女の雰囲気にとりこになった。その目は明らかに男を誘っていた。風俗のサイトに出てくる嬢の目つきにそっくり。
もしやプロか美人局ではないかと警戒したがただの主婦。メールでいろいろと話し合って(交際の段取りなど)会うことになった。すぐに肉体関係になり、週末金曜日(この日は旦那の定期会合があり帰りが遅い)を中心に密会して不倫セックスを楽しんできた。若い俺には週一回のセックスでは物足りない部分もあるが、その分会ったときに燃える。まあ、充実していたと言えるだろう。
年末年始はさすがと不倫もできないだろうと、俺は久々に彼女のことを忘れて正月気分でいた。実家のある山梨に帰省し、のんびりしていた。そしたら1月2日の夕方に彼女からLINEがきたのだ。
「明日会えないかな~」
「家族と一緒じゃないんですか? 明日はまだ3日ですよ」
「夫が子供をつれて従弟の家に遊びに行くのよ…日帰りだけど」
「由美子さんは行かないの」
「顔見知り少ないから来なくていいって…だから暇なの。会えない?」
これには驚いた。正月3日から不倫セックスをする発想が凄まじい。だが俺も精液がたまっていたし、正月から一発やるのも悪くないと思って翌朝東京に飛んで帰った。午後には到着し、ラブホテルへ。
部屋に入るなりすぐに舌を絡ませ合い、求め合う。
秘め始めとは、その年で最初にする秘め事(不倫セックス)のことだ。1月3日というあり得ない日にやったので、その意味を強く実感することができた。