出会い系サイトで女性から声がかかるというのは珍しいことだが、俺にはその経験がある。今付き合っている彼女とは、彼女からのアプローチで知り合った。
「しばらくメールでおつきあいして、もし良かったら会って欲しいんです」
写真も貼ってあり、目がきらきらした割とキュートな子だった。そんな子からアプローチを受けた俺は幸せ者。断る理由などどこにもなく、そのお誘いを受けた。だが「メールのおつきあい」は遠慮させてもらった。
「どうせならすぐにでも会おうよ…そのほうがわかり合えるって」
「それもそうですね」
本音では即会いしたかったのだろう、嬉しそうだった。
そらからしばらく普通の交際をした。こう書くと手前味噌だが、彼女は俺にベタ惚れで、めろめろだった。もちろんセックスもOKで、付き合ってまもない時期にセックスをすませた。
さてある日ラブホで彼女に手コキしてもらっていたら、精液が彼女の手の甲に飛び散った。
「ごめん」
「いいの」
うつむき加減の彼女の頬には可愛いえくぼができていた。
これには後日談がある。
彼女はそれから数時間、手の甲を洗わなかったそうだ。べとべとした手を楽しみ、男の匂いを味わっていたという。
「好きな人の精液を水に流すなんてもったいないもん」
何となく変態娘のようにも思えるが、これは決して異常なことではない。女性は嫌いな男の精液は汚物と変わらないらしいが、好きな男の精液ならば飲んでも構わないほど愛おしく思えるそうだ。手の甲に飛び散った精液をしばらく温存しておきたいという気持ち、わかる。
男でも同じではないか。
好きな女、あるいはいい女の体液ならば飲んでも構わないと思わないか? 唾液でも、尿でも、愛液でも…。だが嫌いな女やブスの体液は、汚物を通り越して毒物に匹敵する。触りたいとも思わないし、見たくもない。
そんなに好きなら、今度ごっくんしてもらおうと思う。
女からぞっこん愛されるというのは、実に幸福なことだ。