かつて旅客機のCA(キャビンアテンダント)は女性の職業としては花形だった。才媛才女はみなこの職業を目指し、狭き門をくぐりぬけて女の人生の檜舞台に立った。収入も高く、社会的地位もあった。
男から見てもCAは一目置く存在だった。芸能人や女子アナを見るような目で見ていたし、自分とは縁のない、文字通り「雲の上」の女のような気がしていた。
だが最近は違うらしい。いぜん人気のある職業ではあるが収入は低く、本当に有能な女は容易にCAにならないと聞く。語学に堪能であれば商社や外資を選ぶ方が収入は数倍高い。
「いまどきCAを目指す女は美貌に自信のあるだけの、目立ちたがり屋だぜ…語学も入社してから身につける女が多い」
会社の同僚がそんなことを言っていた。
そんなわけないと思っていたが、出会い系サイトで現役のCAを見つけて、友人の言ったことが正しいと思った。
「CAやってますけど、出会いもなければお金もないのよ」
プロフにはそう書いてある。写真もでかでかと貼っていて、かつ美人だし何となくエロい。美貌に自信のある目立ちたがり屋、しかも少々欲求不満のCAがそこにいた。
彼女とは即会いしたが、雲の上の女をゲットしたみたいな感動はあまりなかった。
いい女を掴んだ、くらいの感覚だった。
もちろんCAとして採用されるには狭き門をくぐり抜ける必要があるが、英会話ができて神経がきめ細やかで美貌にあふれる彼女は難なく内定をもらったとか。
「本当は風俗嬢でもいいかと思ったのよ…高級ソープ嬢とかキャバ嬢とか…随分悩んだわ」
風俗嬢も昔と違って簡単になれない職業だと聞く。美しい顔や体型が求められるのはもちろんだが、男を楽しませるセンス、会話力が必要で、そこそこ能力が高くないとなれないようだ。
職業選択にあたってCAと風俗嬢をはかりにかけるくらいであるから、両者はどこかでつながっているかもしれない。両者とも女のクオリティが求められるという意味で。
彼女とはすぐに肉体関係になったが、フェラが抜群に上手い。
「でも、フェラが上手くてもCAの仕事には役に立たないだろう」
「役に立つ日が来たら航空業界も楽しくなるわよね…機内フェラサービスなんてね」
そんな冗談を言って明るく笑う。
週に一回会っている。