PCMAXで知り合った地元徳島市に住んでいる主婦と不倫中。奥さんは不倫が初めてで、最初はなかなかその気になってくれなかった。会ってはくれるがセックスしないデートが何回か続いた。体はセックスを欲し、男に飢えてはいるが、仮にもいっかいの主婦。体を開く勇気が出ないまま一ヶ月が過ぎていた。セックスなき人妻交際など意味がないので俺としてはやめてしまいたかったが、スリムな体と小顔。つんと突き出た乳は捨てがたく、俺はその欲求不満主婦がその気になるのを待った。
奥さんがその気になったのは二週間ほど前のことだ。その気になると開き直り、会う場所や時間、行為にあてる時間など、以前よりも緻密に計算して俺に指示してきた。
「私を見つけたら、かまわないからホテルのほうに歩いてちょうだい」
普通のデートをしているときは堂々と会っていたが、男女になってからは、ある種の密会に変わった。
10日に一回、俺は奥さんとこっそり密会している。
意外に疲れる。
ホテルの近所で待ち合わせて、互いに距離を置いて歩く。奥さんが遅れた場合、俺が先にホテルに入って奥さんを待つこともある。奥さんはサングラスをかけるか、マスクをしている。そこまで神経質になる必要があるのか疑問だが、徳島は狭い。いつ何時知り合いと遭遇するかもしれない。
「本当は車を出して欲しいんだけど」
俺は車を持っていない。デートのたびにレンタルするのもコスパが悪い。
「だったらレンタカー代出すわ」
一週間前から車でラブホに入るようになった。
だがそれで密会の緊張がなくなった訳ではない。
奥さんとは市役所で待ち合わせる。市役所のロビーですれ違い際に車のキーを奥さんに渡す。奥さんはそれで車に乗って、シートを倒して横になる。そのあと俺が運転席に乗り、車を発進させる。車が国道に入ると、奥さんはゆっくりとシートを元に戻すのだ。
ホテルにいるとき以外、ほとんど会話したことがない。
密会はスリルに満ちているが、何となく落ち着かず、少々疲弊する。
だがホテルに入ると、そんなことはない。
そこでは濃厚なセックスが待っている。
密会とは、快楽に通じた暗い道を無言で歩くことだ。