男なら女に生挿れ生射精したいだろう。生の膣の中で肉襞のぬめりを直接感じ、同時に精子を発射して牡の歓びを味わいたい。生挿れしたことのある人ならわかると思うが、ゴムの有り無しでこれほど快感が変わるのかとびっくりする。だがこれが許されるのは妊娠してもかまわない夫婦のみに許されている特権である。孕むことを望まない女にこれをやるのは危険である。安全日を選んで生挿れする方法もないことはないが、100%安全とは言えない。
二ヶ月ほど前に出会い系で知り合った女と不定期にセックスしているが、やはり彼女も生挿れNG派だった。昔のセフレに生挿れ中出しされたとき、幸いにして妊娠はしなかったものの、期間が過ぎるまで気が気でなかったと言っていた。
しかし俺が生挿れの快感の話ばかりするものだから、彼女も俺の願望にちょっとだけ答えてあげてみたくなったようで、条件付きで許してくれるようになった。
「一瞬だけなら生挿れOKよ」
「え? まじで」
「一瞬ならね」
「一瞬って?」
「ゴム付ける前、一回入れて抜くだけ……これなら精子でないでしょ」
「一回入れて抜くだけ、か」
生射精もできず一回入れて抜くだけという条件に、そんなの生挿れでなく生殺しだと言いたかったが、一瞬でも生挿れは生挿れ。させてもらうことにした。
一回入れて抜くだけ。
俺はこの瞬間のために丹念に前戯した。前戯でアソコを完璧に仕上げ、最高の状態でその「瞬間」を迎えようと思ったのだ。どうせ生挿れするなら、十分に潤い、どろどろになった状態で味わいたいではないか。ディープキスから始め、丁寧に乳首を刺激して、時間をかけてクンニする。前戯にかける時間は20分以上。俺も我慢ぎりぎりまで女体と戯れ、その感動の瞬間を迎える。
「じゃあ入れるよ」
「うふうん……ちょっと、だけ、よ」
彼女は心身ともに蕩けてしまっている。股を大きく開き、ぬめった膣ビラを左右に開くと、亀頭の先端を膣口に当て、滑り込ませる。
しかし一気には入れない。
もったいないから、なるべく時間をかけてゆっくりと竿を埋めていく。熱い肉襞が竿を粘膜をくるみ包んでいく過程を楽しみながら、奥へ奥へ埋める。
「ああん、いい……スローが効く」
「おお、気持ちいい……佳枝さん、締めて締めて、膣締めて」
ぎゅっと粘膜が絞られ、強烈な快感がおそってくる。
「あああ」
そしてゆっくりと抜く。
コンドームを装着する前のこの瞬間が、俺にとって最高の時間である。
ちなみにこのプレイ、彼女にも好評だ。
まず前戯に時間をかけてくれる。そしてスローな生挿れが意外と気持ちいいようだ。
この「ちょっとだけ生挿れ」お互いにとってうれしい。